平成17年度文化庁文化芸術支援作品/文部科学省特別選定作品 /日本PTA全国協議会特別推薦
ヘレンケラーを知っていますか
特別寄稿
 

  『ヘレンケラーを知っていますか』最初にこのフレーズを聞いた時は、「はい、もちろん知っています。三重苦を克服されたあの方でしょ。」などと思っていたのですが、ヘレンケラーの様な境遇にある実在の女性が、しかも、この山口に現に生活していらっしゃるとは知りませんでした。

  ハンディキャップにもいろいろな形態があり、今は健常であっても、いつハンディキャップを背負うかはわかりません。考えてみれば、生物の摂理の「生病老死」は、不可避なものであります。健康体であっても、加齢による生物としての機能低下は、誰しも避けて通れないのです。健康を損なっている人にすれば、尚更です。

  この映画を通して、障害者が受けている、さまざまな理不尽なる世の中からの扱い。私自身、知らず知らずのうちに、その様な振る舞いをしていなかったのか? 障害者を区別するのではなく、差別してはいなかったのか? そして何よりも、映画を見る度に流し続ける涙、止まらない涙は、一体何なのだろうか?

  この世に生を受けて、半世紀を少し超えた今、何もかも分かったような顔をして、人間の本質を理解することなど、人に対する本当の思いやりの心など、どこかに忘れ去って生きてきたのではないだろうか。

  銀幕の中で小林綾子紛する北崎絹子が、叫んでいる、泣いている。その声や涙に、私はまた、泣いてしまう。お父さんが、自殺しようとする絹子を背後から抱きしめて、その指に語りかける時、お母さんが死んで絹子が一人きりになった時の、あの「お母さん、お母さん」の叫び声。また泣けてしまいました。

  私は、この映画上映会を通して、多くの福祉に携わる方、ボランティアスタッフ実行委員会の方々の極々一部ですが、知り合うことができたことは、大きな財産でありますし、小林綾子さんと記念撮影して頂いたことは、筆舌には絶しがたい喜びであります。

  最後に、一人でも多くの友人・知人に、この上映会に参加してもらうべく活動することが、この喜びのお返しであると思います。まさに「喜びと感動は、分かてば二つになる。」であります。

    2006年7月2日      白  石  謙  治